まっちゃんの経営ブログ

今年の台湾芒果(マンゴー)事情と覚え書き

こんにちは。
DSSで助手を務めている松山と申します。
先日、注文していた台湾芒果(マンゴー)が届きました。
毎年、輸入青果屋さんから一箱ほどお願いしていますが、今回は少し遅いタイミングで到着しました。

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届いた芒果は、中玉(4~6号まであって、今回は5号でした)が6個。色つやはまあまあ、形はGOODでした


今年の芒果は大不作という話を聞いたので、現地の報道を確認したり、友人に問い合わせたりしましたが本当のようでした。春先の寒波の影響で十分な数が育たなかったらしいです。確かに今年は近所のスーパーで見かけないような気がします。近年はこの時期になると、台湾産の芒果が潤沢に並ぶのですが、今年は×です。プラスチックケースに入った宮崎や沖縄の高級愛文が、少しだけラインナップされているぐらいです。そういえば、春がシーズンの台湾産パイナップルもあまり扱いがなかった気がします。
 
実際に現地に行って確かめる予定ですが、友人の話では愛文芒果は果物屋さんで1斤(600g)100元越えとのこと。自分の記憶では、1斤45~70元が相場でしたから、今年はかなり高いですね。毎年、芒果の出来不出来はあるのですが、価格がこんなに高ブレするのは初めてかもしれません。ただ、愛文以外の芒果はそれほどの価格変化はないみたいですから、他の品種に期待したいですね。

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1斤(600g)49元。3~4個で250円ぐらいでしょうかね。

 
で、我が家に届いた芒果ですが、なかなかの品質で、農家さんと輸入業者さんがかなり頑張ってくれたなぁという感想です。
想像以上に形も色も良く、熟成具合も良い感じです。太陽の光が十分に当たらないと愛文の特徴であるリンゴのような色(アップルマンゴーと言われるぐらいですから)にはならないので、届いた芒果達は日照不足の中、かなり良い条件で育てられたのだと思います。ワインで言えばグランクリュの畑ですくすく育った葡萄ですね。
これぞ「愛文」と言いたくなる、濃厚な甘さと程よい酸味、繊維の少ない滑らかな舌触りですっと口の中で溶けてしまうような味わいがある芒果でした。香りの方は少し控えめな気がします。皮が少し固かったので、あれっ?と思いましたが、食べてみたら安心の完熟芒果でした。
 

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不作の中で頑張って実をつけてくれました。ありがとう。
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もう少し追熟すると、果肉がさらに柔らかくなり、表面に黒い斑点が浮かんできます。が、追熟ってうまくいったためしがないので、早めに食べてしまおうと思います


 
日本の果物事情と同じだと思うのですが、台湾でも良いものは優先的に都会(大消費地)に送られたり、贈答品に選ばれます。そして豊作なら高級フルーツショップとスーパーで買う果物の味の差は縮まるのですが、不作の場合はその逆かつ満足に流通もしなくなります。
今年は現地でも気軽に食べられない気がするので、通販で買っておいて良かったかもしれません。注文は出荷2~3か月前の前金制なので、先物買い的な要素もありますが、農産物ですから仕方がないですね。結果として今回はラッキーな買いものになったかなと思いました。農家さん、流通関連業者さん、ありがとうございました。
 

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年によって出来は変わりますが、良質のものをプロの目で選んでもらえるのが通販のメリットですね。これは昨年のもの
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一昨年・・・

前記しましたが、台湾で美味しい芒果を食べるなら大都市が良いと思います。地方に行くと値段も安いですし、路面店でも市場の果物屋さんでも、地元の人に交じってのんびり選ぶことができます。
ただ、個人的な感覚ですが、良い店、良いものを選ぶ目利き、移動の手間等を考えると、大きな街で値段は高めでもそれなりに選別されたものを買った方が得だと思います。

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台南のフルーツ店で無造作に置かれた芒果たち
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この店の芒果冰は、金魚鉢クラスの皿に入って提供されます



さらに台北市や新北市などの北部エリアでなくて、南部の台南市や高雄市あたりの大都市のほうが、価格も品質も満足なものに出会える気がします。台湾芒果の主な生産地である玉井鎮は台南県、枋山郷は高雄の隣の屏東県に属しているので、立地的にも流通しやすいのかなと思います。特に台南市街は、比較的コンパクトで移動もしやすいので、果物屋さんや芒果冰を提供するお店にアクセスしやすいです。芒果を求めて台南に行くのも良いチョイスだと思います。

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玉井鎮は台南からバスで50分程度走った山間部にあります。街の近くになると、あたりは果樹園だらけになります
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玉井にある農会(農協)の販売所の芒果たち。色々な種類の芒果を買えるのが直売所の魅力です。交通手段がバスだと、持って帰るのが大変ですが
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一籠300元(≒1500円)はさすがに安いですね
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台湾の南部・高雄のさらに南に位置する枋山郷は芒果栽培が盛ん。海沿いを通る26号線の山の斜面には芒果畑が広がっています。白い袋に大切に包まれているのが芒果です
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前台湾総統の蔡英文さんの旧居(枋山郷楓港村)のそばで見かけた販売所の芒果。枝付きのものもありますね



あと、個人的には農業県の雲林もおススメしたいですね。台湾の中南部に位置する県なのですが、南部と北部に移動する通過点とされがちな不遇のエリアです。もちろん芒果は普通に食べられるし、リアル台湾って感じの街並み、生活、文化を味わえる場所なので、この場を借りて強力にプッシュしておきます。虎尾や北港はこれぞ台湾と叫びたくなるほどおススメです。

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雲林県にある「古坑緑色隧道(トンネル)」は芒果の木が並ぶ長い一本道
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同じく雲林の民家にあった芒果の木。芒果が道に落ちてます。もったいない



次に芒果をどんなお店で買うのか、楽しむのかという話ですが、時間がない場合は「新光三越」や「遠東そごう」などの大手百貨店にあるスーパーで買うのが手っ取り早いです。もちろん値段は高いですが、良いものがセレクトされているし、何より品質管理レベルが高いです。さらに基本的に食べ頃のものが並べられています。外れないモノを入手できるのは重要だと思います。台北市なら忠孝復興站の「遠東そごう復興店」のB3にある「City’ super」なら、安心の品揃えだと思います。お値段はそれなりですが、間違いないです(このお店では日本向けの贈答品輸出もやっています)。
 

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贈答用輸出芒果のレベルは極めて高いです


多少の目利きは必要になりますが「家楽福(カルフール)」や「全聯福利」などのスーパーマーケットでも手軽に安心のものが買えます。都市部に展開していたミニスーパー「頂好」(まいばすけっとみたいな店)が家楽福にリブランドされてそのまま営業しているのですが、そこでも比較的安く購入できます。台北市内のあちこちにあります。

 
路面店の果物屋さん(八百屋も兼ねている)や市場ですが、滞在先の近くにあるなら選択肢になるかもしれません。わざわざ電車を乗り継いだりして、買いに行くほどではないと思います。
 
あと、スーパーなら切盤(カットフルーツ)を買っても、鮮度的には問題ないと思います。路面店や市場のやつは・・・自己責任ですね。もちろん、お店の方もきちんと選ぶのを手伝ってくれると思いますが・・・怪しい時もあります笑。
 
もっと手軽なのは、市中のデザート屋さんや(一部の)果物屋さんで提供されるものをその場で食べるパターンですね。ただ、都市部の人気店は行列必死で、炎天下の中で長時間並んで食べるというのも大変だとは思います。特に台北の人気店は、今やインバウンドの中心となった韓国人旅行者も参戦してくるので、日韓台の大行列となります。どうしても食べたいのなら、気合を入れて開店時間に合わせて行く。できれば、店を通りかかった時に空いていたら飛び込むくらいの気持ちで臨むぐらいが精神的にも良いかなと思います。

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芒果冰の美味しい店の選び方ですが、芒果のカットが大きい場合は大抵あたりです。私的着眼ポイントです。台北市内のお店にて(残念ながら現在は閉店)
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こちらは玉井鎮の直売所で食べたもの。青っぽいのは「芒果青・情人果」と言って、熟す前に収穫して砂糖漬けとかにしたドライフルーツの一種です。甘酸っぱくて良いアクセントになります


 
いずれにしても、今年の芒果事情は厳しいようなので、この夏、訪台するなら過度な期待はしないほうが良いかもしれませんね。台湾はフルーツ王国なので、芒果以外にも美味しい果物がたくさんあります。今の時期ならパパイヤやグアバ、蓮霧(レンブー)もまだいけると思います。それらを思いっきり楽しむのも有りだと思います。
私は、地物のバナナを狙ってみようかなと考えています。バナナは通年食べられますが、夏は種類がぐんと増えます(初夏と秋が旬ですが、夏はその狭間で両方選べることが多い)。
 

8月に入ると芒果のシーズン(さかり)は終わり、なごりの時期となります。例年、旬は過ぎても、しばらくは果物屋さんでも見かけるし、美味しいものにも出会えるのですが・・・今年はどうなるでしょうか。
それでは、良い芒果に出会えることを願って。

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残念ながら芒果は日本に持ち帰れませんが、おススメはドライマンゴーを土産にすること。無糖のパッケージを買って、帰国したら食べる前の夜にヨーグルトに漬けておくと、あら不思議。朝にはほぼ芒果に戻っています

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