今回はパートナー診断士 松山さんのブログになります。
こんにちは。
DSSで助手を務めている松山と申します。よろしくお願いいたします。
前回、松村代表が「仕事との向き合い方」について話されていました。
「自分はどんな仕事が向いているのだろう?」、「自分が働く意味とは?」等々、誰もが一度は仕事について考えて、悩んで、自分なりの答えを出すのだろうと思います。やりがい、報酬、社会的評価、人によって回答はそれぞれですが、自分で導き出したのならどれも正しい答えだと思います。
私自身を振り返ってみると、仕事との向き合い方について考えたのは社会人4年目ぐらいの時だったと思います。仕事に慣れ、後輩を指導する立場になり、少しだけ周りを見渡せるようになった頃、これから仕事を通してどう成長したいのか考えるようになりました。
当時、所属していた組織はいわゆる大企業で、店頭公開も控えた上り調子のイケイケ会社でした。しかし自分が配属された部署は不採算部門で、すでに統廃合が計画されていました。自分なりには一生懸命働いていたのですが、大きな流れには逆らえず、5年間で3つの部門の統廃合と部署移動を経験することになりました。その中で辛かったのは、懇意にしていただいたお客様に閉所の連絡やお詫びをすることと、自分の無力さを実感したことでした。
組織の統廃合とはいえ、現場の社員にとってはお店をたたむということに他なりません。閉所業務で給与をもらうというのも、あまり嬉しくはなかったです。引っ越しの前夜、事務所内に積み上げられた段ボールや什器の跡がついたカーペットを、無気力に眺めていたことを未だに覚えています。
未熟だった当時の自分は、採算が取れない事業計画を立て、結果、赤字部門を解散させてしまう経営陣に怒りを感じていました。同時にその計画も読み込めず、どう立ち振る舞うべきか判断する能力がない自分にも不甲斐なさを感じていました。自分の乗っている船がどこに向かうのか、どこに立ち寄るのかもわからない、ただ与えられた仕事をこなすだけの自分。このポジションのままでは、同じようなことを繰り返すだけ、自分を変えなければならないと強く考えました。社会人として必要なスキルを身につけよう、世の中の仕組みも勉強しよう、経営についてもう一度学ぼう(大学は経営学科でした)、そしてこれらを学べて活かせる仕事も探そうと。この時、仕事人としての理想の姿とギャップを自分なりに分析して何をすべきかを考えたのだと思います。
当時は結婚したばかりで妻には心配を掛けてしまいましたが、経営の勉強を始め、職種も変え、色々な経験を積んで現在に至っています。
一方で「仕事との向き合い方」について悩む若手社員に対して、経営者や上司、先輩、私たちができることは何でしょうか?
松村代表は「社員が仕事に意義を見出し、成長できる環境を与える」ことと綴っています。環境とは具体的には役割や処遇などを指しますが、組織ごとに相応しい内容は異なりますので、個々で模索しなければなりません。とても長い道のりになると思います。
個人的な意見ですが、成長を促すために難しい言葉や支援の仕組みを用意するのではなく、まずは我々が彼らに歩み寄ってコミュニケーションをとり、風通しの良い職場を作るのはいかがでしょうか。「環境を与える」ことの第一歩の取り組みとして。
現在、私が所属する会社では多くの中小企業と同様に、若手社員の確保と定着、成長という経営課題を抱えています。特に期待している社員がどうやったら定着するか、離職率を抑えられるかについては難題です。経営や人事の教科書は参考になりません。
今、弊社では「若手社員の話を聞く」というシンプルな取り組みを実践しています。仕事だけでなく、趣味の話、食べ物の話、友人の話、職場では無駄話と思われるかもしれない内容でもとにかく話してもらって、丁寧に聞いています。若手社員が何でも話せる職場の雰囲気を作ろうと、社長を中心に上司、先輩社員で声を掛け合っています。社内に日常会話すらできない雰囲気があるのなら、仕事の悩みや会社に対する要望などの相談ができるわけありませんので…。
若手社員が仕事と向きあって成長するためには、自身で考え、目標を設定して行動していくしかありません。我々は、悩んで立ち止まったら声を掛けてもらえるような関係を作り、どっしりと構えているだけで、十分なサポートになるのではないでしょうか。
私は10年ほど前からドラムを習っています。四十の手習いと言えば聞こえは良いですが、歳をとってから楽器を始めるのはなかなか勇気がいることでした。
それでも飽きもせず続いているのは、演奏するのが好きという他に、良い先生に出会えたこともあると思います。先生は褒めるのがとても上手く、私のモチベーションを高めてくれます。楽器演奏はとにかく繰り返し練習することが求められます。勉強と同じだと思うのですが、近道はありません。努力した量が結果につながります。そして先生は、その練習の部分を最も評価します。
例えばレッスンである課題を演奏して上手くできた時、先生は私が楽譜を読み込み、指導してもらった内容を復習し、スティックを振り続けてきたことをきちんと評価してくれます。演奏が上手かったからではなく、そこまでに至った私の努力を認め、共感してくれます。私がドラム演奏へのモチベーションを持ち続けていられるのは、間違いなく良き指導かつ理解者が伴走してくれるからだと思います。
若手社員にも、頼れる上司や先輩だけでなく、自分を理解してくれる伴走者としての我々がいたら嬉しいのではないでしょうか。
たくさん仕事と向き合って、時には相談してもらって、大きく成長していただきたいですね。
長文失礼しました。
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