こんにちは。
DSSで助手を務めている松山と申します。よろしくお願いいたします。
銘菓「きのこの山」か「たけのこの里」を選ぶくらい悩ましい問題、それが「あんこは『こしあん』か『つぶあん』のどちらが美味しい?」というテーマです。私も今までに何度も自問自答を繰り返してきましたが、いまだ明確な答えは出ていません。
こしあんの魅力は、何と言ってもその滑らかな舌触りでしょう。上質な和菓子に用いられることが多く、皮などを丁寧に濾す工程から、つぶあんよりも手間がかかっている印象を受けます。その分、価格にも反映されている気がします(つぶあん菓子よりお高い印象です)。

一方、つぶあんの魅力は、小豆そのものの存在感です。皮を残して炊き上げられているため、食べ応えがあり、「あんこを食べた!」という満足感が大きいのが特徴です。

幼い頃は圧倒的にこしあん派だった私ですが、成長するにつれて嗜好が変化し、いつの間にかつぶあんも楽しめるようになりました。その変化の背景には、台湾での食体験があると考えています。台湾は日本と同じくあんこ文化圏ですが、日常的に食されるのはつぶあんを使ったものが多いです。月餅などの中華菓子にはこしあんのものもありますが、一般的なお菓子はつぶあんが主流だと感じています。

周囲の人にどちらのあんこが好きか尋ねてみましたが、「断然〇〇派!」という明確な回答は少なく、「強いて言えば・・・」「食べる頻度が多いのは〇〇かな」といった、やや控えめな意見が目立ちました。ただ、わずかながら「こしあん」を推す声が多かったように感じます。
先日、近所の和菓子屋さんで買い物をする際、「こしあんとつぶあん、どちらが人気ですか?」と質問してみました。対応してくれたご主人の答えは「うちの商品はこしあんが多いけれど、一番人気はつぶあんの田舎大福だね」とのこと。
店内の商品構成を見るとこしあんの商品が多いものの、売れ筋商品となるとつぶあんを使ったものが人気ナンバーワンという事実は見逃せません。また、和菓子屋さんにとって季節商品は重要な要素です。例えば、秋の定番のおはぎにはつぶあんが使われているため、その時期の売れ筋商品となります。つまり、お店にとってこしあんもつぶあんも、どちらも重要な戦力なのです。

さらに興味深いのは、お菓子の種類によって、使われるあんこの定番があることです。たい焼きや大判焼き(回転焼き、今川焼き)には「つぶあん」、大福や上生菓子の多くには「こしあん」が使われている印象があります(個人の感想です)。もし、これらのお菓子で使うあんこを逆にした商品を想像してみると、あまり見かけない上に、味がしっくりこない気がします。例えば、こしあんの大判焼きは、何となく落ち着かないというか、「それじゃない感」があります(個人の感想です)。

近年のヒット商品「苺大福」や「あんバターサンド」なんかは、前者はこしあん、後者はつぶあんが合うと思います。その逆はどうかな?苺には滑らかなこしあん、バターには存在感のあるつぶあんがベストマッチのような気がします(あくまで個人の感想です)。

これらのことから、こしあんとつぶあんはそれぞれに適した場所で活躍しており、両方が不可欠の存在であると言えるでしょう。この結論にたどり着くまで、時間がかかりました。
幼い頃、「世の中のあんこは全てこしあんに統一してしまえば良いのに」とさえ思っていた過激なあんこ革命思想を持っていた自分を、今の私は叱りつけてやりたい気持ちです。

結局、それぞれの長所や短所を比較して優劣をつけるのは無意味だということですね。それぞれの特徴を理解し、ケースバイケース&自分の好みに合ったものを選ぶのが一番です。なぜなら、どちらのあんこも美味しいことに変わりはないからです。
要は「お好みのあんこを選んでください」ということでございます。
タイトルで興味を引いておきながら、はっきりとした結論を出さずに話を終えるのは、個人的には好きではありませんし、心もモヤモヤします。しかし、あんこのことに関しては仕方ありません。
「どちらの方が美味しいか」ではなくて「どちらも美味しい」という結論が導かれてしまったので・・・申し訳ありません。
ちなみに、今の私の好みは「つぶあん」です。
せめてものアンサーとさせていただきます。

こちらのサイト(note)からもご覧いただけます。
この記事へのコメントはありません。