『売上が安定しない』『人材不足』『相談相手が見つからない』などなど、これらは多くの中小企業経営者にとって切実な悩みではないでしょうか。 資金繰り、事業展開の不安から補助金申請に頼る経営も珍しくありません。しかし、補助金そのものをゴールにするのではなく、むしろ補助金は会社の挑戦や成長の追い風になる存在だと前向きに捉えたいものですね。
補助金は新しい設備や人材育成、サービス開発など、普段なかなか踏み出せない一歩を後押ししてくれる心強い仕組みになりえるからです。一方で、せっかくの補助金がもらうこと自体で満足してしまえば、会社本来の進むべき道や強みを見失うことにもつながりかねないとも感じます。今回の経営ブログでは、補助金をポジティブに活用しながらも、その先にある経営の本質や自社の軸をどう育てるかについて、一緒に考えてみたいと思います。
≪このブログを読むと分かること≫
- 補助金活用の落とし穴と対策
- 補助金頼み経営からの脱却方法
- 補助金を経営の“てこ”にするコツ
- 成功事例・失敗事例から学ぶヒント
- 自立する中小企業経営のヒント
目次
- 補助金ありき経営の現実
- 成功する会社と苦しむ会社の違い
- 補助金“申請疲れ”にご用心
- 補助金をてこに本業を伸ばす秘訣
- 自立型経営への一歩とは
みなさん、こんにちは。
忙しいから 楽しいに。~ 未来が見える(だから)笑顔になれる ~
皆様の成長促進パートナー 中小企業診断士のまっちゃんです。
中小企業の現場を駆け回り、組織改革や事業承継などの課題解決をお手伝いしています。
1. 補助金ありき経営の現実
今年は様々な補助金が始まったこともあり、補助金をうまく活用して会社の新しい一歩を踏み出そうとする経営者の姿を、現場で多く目にするようになりました。新しい挑戦に伴う不安やリスクがある中、補助金は設備投資や人材育成、新規事業など、さまざまな取り組みを後押ししてくれる、とても心強い存在です。例えば、ある経営者は「補助金のおかげで念願だった新サービスの立ち上げができた」と語ってくれました。こうした前向きな変化や成長のきっかけとして、補助金は本当に価値ある制度だと感じています。
一方で、補助金を「とりあえず申請する」「もらえたらラッキー」といった目的化した使い方をしてしまうと、思ったような成果に結びつかないこともあります。例えば、ある会社では補助金で設備を新調したものの、それを十分に活用しきれず、売上や利益の増加にはつながらなかったということを聞きました。大切なのことは、補助金をきっかけにどのように経営全体を良くしていくか、自社の強みや課題に向き合って使いこなす姿勢なのだと思います。最近では、AIや最新ツールを使えば、要領よく書けそうという風潮も感じますが、本当に大切なのは、経営の原理原則をしっかり学び、自社の軸を持つことだと思います。もし、根っこの部分がないまま補助金がもらえたとしても、その効果は一時的なものに留まりやすく、持続的な成長や変化にはつながりにくいと感じるからです。
本来、補助金は会社の強みを活かし、経営の柱を強くするためのもの。しかし、補助金が下りたことで安心してしまい、その後の成長投資や現場の工夫が停滞してしまう、そんな「満足感の落とし穴」にも注意していきたいですね。

補助金ありきだと???
2. 成功する会社と苦しむ会社の違い
同じ補助金を活用しても、大きな成果を上げる会社もあれば、逆に経営が苦しくなる会社もあります。この違いはどこから生まれるのでしょうか。補助金を本業成長のきっかけにできるかどうか?が大きな分かれ道なのだと感じています。
例えば、A社は補助金で生産ラインの強化だけでなく、その新しい設備を活かした商品の開発や販路の開拓にも積極的に挑戦されました。その結果、売上だけでなく、利益が増え、コロナ禍にあっても体力を保つことができました。一方で、B社は補助金で設備だけを入れ替え、これまで通りのやり方から何も変えませんでした。現場のオペレーションも営業体制も旧態依然のまま、従業員もただ新しい設備を使うだけの意識でした。その結果、売上は横ばい、従業員の士気は上がらず、せっかくの設備投資も経営改善にはつながっていません。
この違いは「補助金を活かす視点」があるかどうかだと思います。補助金を会社全体で変化を起こすきっかけにできるかどうかが、成長と停滞の分かれ道だと感じます。

期待していたのに・・・
3. 補助金“申請疲れ”にご用心
補助金の公募があるたびに、「今回はうちも応募できるのでは?」と、あれもこれもと申請に追われ、経営者が本来注力すべき本業やお客様対応がおろそかになるなんてこと、あるあるな話ではないでしょうか。
現場では、担当者や経営者自らが申請書や計画書の作成、報告業務などに多くの時間を割かれ、「いつの間にか月末が申請や報告だけで終わっていた」といった嘆きの声も聞かれます。また、複数の申請や採択後の報告業務に追われることで、肝心の進捗状況の把握や現場改善への意識が薄れることも珍しくないです。現場の士気も下がりますし、よくよく考えて補助金を活用したいものです。
補助金申請は「何のために使うのか」「自社に本当に必要なのか」を見極めて、経営の軸をぶらさない意思決定がますます重要だと思います。今日を機に、そんな補助金疲れの声から、卒業しましょう!

知力・体力・気力に
4. 補助金をてこに本業を伸ばす秘訣
補助金はあくまで「てこ」だと思います。「てこ」は小さな力で大きな力を発生させることができる道具ですよね。なので、自社の強みや課題を冷静に見極め、本業の成長や新しい価値づくりに、どのように「てこ」活かすかのかが肝心になります。
例えば、C社では補助金で設備を導入する際に現場スタッフの意見を取り入れました。作業効率はもちろんのこと、製品の品質向上、受注増加につながっています。こうした取り組みは、現場の空気を変えるきっかけにもなります。「自社のウリは何か?」「補助金でどこを強化するのか?」「現場の意見をどう活かすか?」とか、当たり前に言われていることを具体的に考える習慣を持つことが、成果につながるポイントなのでは?と感じます。

士気も高く経営を伸ばす
5. 自立型経営への一歩とは
補助金は経営にとって頼りになる存在。でも、依存しすぎずに自分たちの足で立つ経営を目指すことが、何より大切なことだと感じます。例えば、日々の現場改善、小さな計画・実行・改善の積み重ね、お客様やスタッフの声を丁寧に聞き取ることなど、今からでも始められそうな地道な積み重ねが経営の原点で強い会社をつくる土台になると、私も多くの経営者から学びました。
補助金は経営を後押ししてくれますが、自分ごと感や主体的な工夫が薄れてしまうのだったら、成長の芽を自分たちで摘んでしまうことにもなるのかも?小さな変化や現場の知恵、お客様の声に耳を傾けることが、どんな時代でも会社の成長を支える力になるのだと感じます。
気軽に悩みを打ち明けられる相手や、自社の現場を理解してくれる相談先があることも経営には大きな安心感につながると感じています。日常に漂うたくさんの気づきを見つけ、ひとつひとつ解決していく。そんな会社を強くする歩みも大切にしたいですね。

一体となって前進
補助金の活用は決してネガティブなものではなく、前向きな経営の味方。むしろ、補助金を上手に使いながら自社のウリや現場の強みを伸ばしていく姿勢が、これからの中小企業経営には欠かせないのかもしれません。だったら、味方につけて会社や社員がいきいきと活躍できる未来を創っていきたいものですね。
この経営ブログが、皆様の経営力を高める一助となれば嬉しいです。ご感想やご意見、日々の取り組みや疑問など、ぜひフィードバックをお寄せください。一緒に成長していけるよう、もっと頑張ります。応援してください(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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